「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
けれど、殿下は静かに、そして確かに言葉を紡いだ。

そして、カイル殿下は確かにその言葉を紡いだ。

「ルヴァリエ公爵令嬢、セレナ・ルヴァリエ。──私と結婚してください。」

その一言に、心臓が跳ねる。

まるで、本物の求婚のように、堂々と、真っ直ぐに。

ドキッとした。

わかっている。これは、ユリウスを見返すための“偽りの婚約”。

それでも──胸が高鳴るのを、止めることはできなかった。

けれど、私以上に驚いていたのは、両親だった。

「……えええええ⁉」

父の声が、屋敷中に響き渡る。

その場に崩れるように腰を抜かし、ソファにもたれ込む。

「カ、カイル殿下が……我が娘を……⁉」

「セレナを……見初めた……ですって……⁉」

母もおろおろと顔を真っ青にして、口元を押さえている。

「わ、わたくしどもは……とても、殿下のようなお方に、娘を……っ!」
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