「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
「そんな、お受けできるような話では──っ!」

混乱する両親に、カイル殿下は穏やかに言葉を重ねた。

「もちろん、急な話だとは承知しています。ただ……彼女を、正式にお迎えしたい。それだけは、真剣に申し上げています。」

──真剣に。

たとえそれが“復讐のため”だったとしても。

その声音に込められた想いは、決して軽いものではなかった。

私は、ただ黙って彼の背中を見つめていた。

「い、いつですか……!?」

父が、震える声で問いかけた。

「いつ娘を見初めたのですか?」

その表情は、半信半疑どころか、本気で疑っている。

……当然だ。

父自身が、私と殿下の距離を置かせるよう取り計らった張本人なのだから。

こうなるのを恐れて、あえて距離を取ったのに──まさか本当に、殿下が“婚約者”になるなんて。

「いつ……というわけではありませんが、強いて言えば──」

カイル殿下は、少しだけ考える素振りを見せたあと、やわらかく微笑んだ。
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