「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
カイル殿下が、楽しそうに笑う。

「まさか、昼間からする気はないよ。」

その言葉に、少しだけ安心して胸を撫で下ろした──のに。

「でも……」

その声のトーンが変わった。

低く、甘く、どこか熱を帯びていて──私はまた息を呑む。

「夜来た時は、覚悟してね?」

ニヤッと笑ったその顔に、私は一瞬、言葉を失った。

「な、なっ……!」

「だって、君が可愛すぎるから悪いんだよ?」

その場に崩れ落ちそうになる私に、カイル殿下は指先でそっと頬をなぞった。

「セレナ。俺はいつでも本気だよ。」

心臓が、バクバクとうるさい。

もう、これは“復讐のための婚約”なんかじゃ済まされない──
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