私の隣にいるのが俺じゃない理由を言え、と彼は言う
あれから、奈々未から「どうだった?」ってLINEが何通も来た。
スタンプ付きの軽い調子だけど、その頻度に少しずつプレッシャーを感じていた。
野田とは仲がいい。けど、だからこそ――
合コンのこと、なんだか言いづらかった。
仕事の合間、資料をコピーしていると、ふと背後から気配がした。
「あ、野田……」
「ちょっと来て」
そう言って、野田が私の腕を軽くつかんで、廊下の端に引っ張った。
驚いてついていくと、人気の少ない窓際で立ち止まる。
「避けてない? 俺のこと」
ドキリとした。
「……え?」
「わかるって。なんか、目ぇ合わせねーし、話しかけても、すぐどっか行くし」
「そんなこと……」
「あるよ。絶対ある」
野田はまっすぐに私を見る。
その瞳に冗談の色はなかった。
私は言い返せなくて、視線をそらした。
「……ごめん」
心臓が、ばくんと跳ねた。
「奈々未がね……」
私はぽつりと話し始めた。
「合コン、セッティングしてくれって言われて。野田、イケメンだからって。
でも、なんか、それ頼むの、変な感じがして……」
「ふーん」
野田は短く、鼻で笑った。
でもそのあと、少しだけ声のトーンが低くなる。
「……お前、俺のこと、誰に売ろうとしてんの?」
「売る、なんて……ちが……!」
「じゃあ何。俺、そういう“適当に紹介できる相手”ってこと?」
責めてるんじゃない。でも、そう聞こえた。
「……だから、なんとなく聞けなかったの…」
野田は、私の顔をじっと見つめてから、少しだけ力を抜いた。
「……ま、いいけど。俺が行くって言ったら、ショックだった?」
「――えっ」
「行くよ、って言われたら。ちょっとでも、嫌だった?」
私は答えられなかった。
野田の唇が、ほんの少しだけ、ゆるむ。
「……そっか」
そう言って、彼は私の腕からそっと手を放した。
「俺、奈々未と話してくる」
そう言って、その場を立ち去った。
スタンプ付きの軽い調子だけど、その頻度に少しずつプレッシャーを感じていた。
野田とは仲がいい。けど、だからこそ――
合コンのこと、なんだか言いづらかった。
仕事の合間、資料をコピーしていると、ふと背後から気配がした。
「あ、野田……」
「ちょっと来て」
そう言って、野田が私の腕を軽くつかんで、廊下の端に引っ張った。
驚いてついていくと、人気の少ない窓際で立ち止まる。
「避けてない? 俺のこと」
ドキリとした。
「……え?」
「わかるって。なんか、目ぇ合わせねーし、話しかけても、すぐどっか行くし」
「そんなこと……」
「あるよ。絶対ある」
野田はまっすぐに私を見る。
その瞳に冗談の色はなかった。
私は言い返せなくて、視線をそらした。
「……ごめん」
心臓が、ばくんと跳ねた。
「奈々未がね……」
私はぽつりと話し始めた。
「合コン、セッティングしてくれって言われて。野田、イケメンだからって。
でも、なんか、それ頼むの、変な感じがして……」
「ふーん」
野田は短く、鼻で笑った。
でもそのあと、少しだけ声のトーンが低くなる。
「……お前、俺のこと、誰に売ろうとしてんの?」
「売る、なんて……ちが……!」
「じゃあ何。俺、そういう“適当に紹介できる相手”ってこと?」
責めてるんじゃない。でも、そう聞こえた。
「……だから、なんとなく聞けなかったの…」
野田は、私の顔をじっと見つめてから、少しだけ力を抜いた。
「……ま、いいけど。俺が行くって言ったら、ショックだった?」
「――えっ」
「行くよ、って言われたら。ちょっとでも、嫌だった?」
私は答えられなかった。
野田の唇が、ほんの少しだけ、ゆるむ。
「……そっか」
そう言って、彼は私の腕からそっと手を放した。
「俺、奈々未と話してくる」
そう言って、その場を立ち去った。