甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。
すると、千紘くんがとある空き教室のドアを開けた。
「……入るの?」
「うん。
前、ここで神崎と二人でいたでしょ。だからちょっと上書きしようと思って」
上書き?なんの?
合点がいかない私を差し置いて、千紘くんは教室の中へと進んでいく。
そして、その真ん中まで来ると、私に手招きした。
「おいで」
「……うん?」
言われるがまま、千紘くんの方へと向かう。
そして、向かい合わせになるように立った。
「もうちょっとこっち来て」
もう一歩、千紘くんに近づく。
すると、両頬に手を添えられて。
「んっ……」
気が付いたときには、キスをされていた。
上書きって、こういうことだったのか。
ここでの思い出を、唯斗くんとのものじゃなくて、千紘くんとのものにしようとしたんだね。
そんな心配しなくていいのに。
私の頭のなか、千紘くんばっかりだよ。
そっと、唇が離れる。