甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


「俺だけ見てればいいのに」

「は……」


な、なに言って……。

それになんか、いつもある余裕が、今はなさそう……?


見たことない目が、声が、私の全部を支配していく。


「それにさ、なんであいつのことは名前で呼んでるのに」


私と瞳を絡ませたまま、瀬良くんは続ける。


「俺のことは千紘って呼んでくれないの、ゆあ」

「……っ」


……もうダメ。

このままじゃ私、変になっちゃいそう。


「一旦、離れて……?」

「やだ。
千紘って呼んでよ、ゆあ」

「うぅ……っ、今は、むり……」

「……なんで。あいつは名前じゃん」

「……っ、だってっ」


恥ずかしくて、瀬良くんから目をそらす。

どうして今日は、そんなにオオカミみたいなの……っ。
いつもはそんなんじゃないじゃん。


だから私も、ちょっとおかしくなっちゃっただけ。

この熱に、絆されちゃっただけ。


「唯斗くんのことは、簡単に名前で呼べるのっ、でもっ」

「でも?」


< 84 / 213 >

この作品をシェア

pagetop