甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


「んー、なんでだろうね」


瀬良くんは、少しだけ間を空けて。


「ゆあが欲しいからじゃない?」

「な……っ」


私が欲しい……?

それって、どういう、意味……。


「……いいから。千紘って、たった三文字だよ」

「……っ、ち……」

「ち?」


あー、どうしてこうなっちゃうんだろう。

私、全部瀬良くんにされるがままじゃん。


「ち、ち……、ちひ、ろ……っ、千紘、くん……っ」

「……っ」

「これで解放、してくれる……?」


そう言うと、千紘くんは私のそばから両手を離して、ずるずるとしゃがみこんだ。

え、あ、あれ……っ。


「だい、じょうぶ……?ち、千紘くん……」

「……ダメかも」

「えっ!?」


弱々しい声でそういう千紘くん。

びっくりして、思わずその背中に手を添える。


「体調、悪かったの……?」

「ううん、体調は悪くない」

「えっと……?」

「ゆあがかわいいから、ダメかも」

「……へっ!?」


< 86 / 213 >

この作品をシェア

pagetop