漂う花は、還り咲く

キーンコーンカーンコーン。


校内にチャイムが響き渡った。


「本日の文化祭は、これにて終了となります——」

放送が重なって、さっきまでの賑やかさが少しずつ落ち着いていく。


「うわ、終わったか」

「はや」

結翔が肩を回しながら呟く。

「片付けめんどくさ……」

「お前サボんなよ」

伊織が軽く笑いながら突っ込む。


教室の外でも、あちこちで「終わりかー」とか「楽しかったー」とか、そんな声が広がっていた。


「六花は帰る?」

結翔がふとこっちを見る。


「うん、そろそろ帰ろうかな」


そう答えると、みんながそれぞれ頷く。


「じゃあ気をつけてな」

「暗いし、転ぶなよ」

「子どもじゃないんだけど」


軽く言い返すと、くすっと笑われる。


「じゃ、六花任せたわ」

「任されてねーし」

そう言いながらも、晴がこっちを見る。

「……帰るか」

「うん」


みんなに軽く手を振る。

「ばいばい!」

「またな」


それぞれの声に見送られて、教室を出る。


廊下は、さっきまでの熱気が嘘みたいに静かになっていた。


遠くで片付けの音が響いている。


並んで歩く帰り道。


窓の外は、もう少しだけ夕焼けが残っていて。

昼間の賑やかさが、ゆっくりと夜に溶けていくみたいだった。
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