シンユウノススメ
パープル
「ねぇ、ちょっと休憩しようよ。喉渇かない?みんなのドリンク作ってきたの」

「わぁ。麦ちゃんありがとう」

「全部、生のフルーツ使ったからきっとおいしいよ」

渡したタンブラーの蓋を開けてナオくんが香りを嗅いだ。

「甘い香りがする」

その言葉を聞いたメイちゃんも同じように香りを嗅いで、
「えー、どっちかって言うとすっきりした香りじゃない?」って笑った。

「いただきます」

そのまま一口飲んで、「うん!やっぱりすっきりしてておいしい。甘味もあるけどレモンみたいな爽やかさがあるね」って、とびきりの食リポをしてくれた。

「俺のはちょっと甘いかも」

「ナオくんの、ちょっと足らなくて別で作ったから。甘味料入れ過ぎちゃったかな。それはね…」

「ッ…はっ…ァ…」

「え、菊地くん…菊地くん!?どうしたの!?」

「ちょ…具合悪い、かも…ごめん、なんか」

「菊地くん!」

酷い汗と荒い呼吸。
目の焦点が合っていない。

嘔吐しそうなのか苦しいのか、喉を押さえている。
その手も痙攣していて震えている。
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