シンユウノススメ
「大丈夫…じゃなさそうだね、ナオくん」

「…ッ」

「麦ちゃん…ドリンクには何を入れたの」

「なんで?」

メイちゃんが震える手で握り締めているタンブラーをムギの眼前に突きつけた。

「どっちかっていうと酸味のほうが効いてるのに菊地くんずっと甘いって…」

「ピーナッツバターだよ。よく飲んだね、あんなの。沢山は混ぜてないんだけど、不味かったでしょ」

「そんなっ…」

「それが何?」

「菊地くん!菊地くんしっかりして!大丈夫だからね、すぐに…」

「どうしたの。ナオくん歩けそうにないの?駿河さん呼んでこようか」

「アレルギーなの!菊地くんは、ナッツアレルギーなんだよ。アナフィラキシー起こしちゃったら死んじゃうことだってあるの。だから絶対にダメなんだよ!」

「そんなの知らないよ。ナオくんから聞いたことないし、メイちゃんだって言わなかったじゃん」

「でもおかしいでしょ!?普通飲み物にピーナッツバターなんて入れないし明らかに菊地くんのだけ混ぜてるでしょ!?私のは菊地くんが言うほど甘くなかったもん!こんなの勝手にっ…」

「勝手に?何が入ってるか疑いもしないで飲んだくせにムギが勝手に飲ませたって言いたいの?え、それっておかしくない?だって一週間も食事を一緒にするんだよ。命に関わるようなアレルギーがあるんなら最初に言っとかなきゃダメじゃない?知らないで人を殺しちゃうほうが悲劇だよ」
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