シンユウノススメ
「じゃあもうメイちゃんの家族にも死んでもらわなきゃいけないね」

「え」

「当然でしょ。ムギと友達やめるような裏切り者の家族をどうして助けてあげなきゃいけないの。メイちゃん、世の中はそんなに甘くないと思うよ。メイちゃんのパパ、ちょっと人に甘過ぎるもんね。娘の教育も間違っちゃったのかな」

メイちゃんが何かを言おうとして開いた口を、やがてゆっくりと諦めたように閉じて、項垂れた。

メイちゃんの家は貧乏だった。

学級委員長に抜擢されるほど人望も厚くて明るいメイちゃんは、身なりもいつもきちんとしていたし、貧乏なことなんて見た目だけでは分からなかった。
じょうずに隠していたんだと思う。

炊事、洗濯をまだ小学生だったメイちゃんが担って、妹と両親を支えていた。
お母さんもパートに出て、お父さんも工場や清掃員などを掛け持ちして一日中働いていたらしい。

それでも生活はラクにはならない。
多額の借金があったから。

メイちゃんのお父さんはすごく優しくて、優し過ぎることが短所になってしまうような人で、優し過ぎるゆえに親友の借金の保証人になって騙された。

これまでのことも、今の生活の苦しさもメイちゃんはムギに全部話してくれた。
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