魔物の森の癒やし姫~役立たずスキル《ふわふわ》でちびっこ令嬢はモテモテです~
「おねえちゃーん!」
「リュミおねえちゃん、あそぼ-!」
「かくれんぼしようよ!」
無邪気な声が次々に飛び込んできて、リュミの顔も自然と笑顔になる。
まるでその笑顔を待っていたかのように、子どもたちはリュミの手を取って、遊びの輪の中へと連れていった。
パッロも、すぐに子どもたちの人気者になった。
「おっきな犬さん、のせてー!」
声をかけられて、大きな体をそっと地面に横たえ、背中に子どもたちを乗せていく。
その姿はまるで生きて動く遊具のようで、子どもたちは歓声を上げて喜んだ。
一方リンコは、羽を小さく震わせながら、砂の上になにかを描いていた。
羽にくくりつけた小枝で、くるくると器用に絵を描くと、子どもたちは「すごーい!」と大はしゃぎ。
砂に描かれた絵は、動物や花。見るたびに心がワクワクしてくる。
広場に響くのは、明るい笑い声と元気な声ばかり。
青空の下、リュミはその真ん中で笑っていた。
そんな楽しい空気の中、突然、バタバタと足音が駆けてきた。
広場の端から、顔を真っ赤にした男の子が飛び込んでくる。
「たいへん! たいへんだよ! 森の入り口に……ひ、人がたおれてるの!」
息を切らしながら、腕を大きく振って伝えようとする。
「おねえちゃん、リュミおねえちゃん、はやく助けてあげて!」
その言葉に、広場の空気がぴたりと止まった。
遊んでいた子どもたちも、リュミも、動きを止めて男の子に目を向ける。