魔物の森の癒やし姫~役立たずスキル《ふわふわ》でちびっこ令嬢はモテモテです~
先頭に立っていた神官が、目を細めてリュミを見下ろす。
「……そうですか。それでも、女神はあなたに祝福を与えた」
ゆっくりと歩み寄ってくる。
足音が床に響くたび、リュミの心が凍っていく。
「女神の御心に背くことなど、あなたにはできないはずです」
「ちがう……ちがうもん……!」
「あなたがどう思おうと、結果がすべてなのです。祈れば光が降りる。それを、我々は見てきた」
別の神官が、リュミの肩を掴んだ。
「さぁ、膝をついて。ここで祈りなさい。言葉は要りません。あなたの力があれば、それでいい」
「やめてっ!」
リュミは必死で腕を振りほどこうとする。けれど、大人の力に敵うはずもなかった。
押さえつけられ、両肩をかたく握られて、無理やり跪かされる。
「……もう、やめてよ……」
リュミの声が、寒々しく響く。
冷たい石の床。
頭上に浮かぶ水晶の淡い光が、遠く霞む。
「どうして……どうしてこんなこと、するの……」
震える声で、リュミはつぶやいた。
けれどその問いかけに、誰も答えてはくれなかった。