百花繚乱
私はその時、ふと思ったんです。

紳太郎さんは 本当は私などと一緒にいるよりも、お友達と一緒にいる方が楽しいのではないかと……


「新太郎さん、お話の途中ですみません。私はここで…」

それだけを伝えると、私は後ろを振り返らずに、走って行きました。

「え?若葉さん?」

紳太郎さんは、突然走り出した私に、驚いていました。

「すまん、宗佑。」

そう言って、紳太郎さんが後をついてくるのが、分かりました。


それでも走る事を止めない私を、紳太郎さんは、ずっと追いかけてきてくれました。

終いには、私の方が息を切らして、木の陰にくっ付いてしまったんです。

「若葉さん。」

後ろに立っている紳太郎さんも息を切らしていました。


「なぜ…追いかけてくるのですか?」

「あなたが、急に走りだすからでしょう。」

「もうここでいいですと、言いました。」

「そんなこと言われて、分かりましたと言うとでも?」

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