百花繚乱
今日も私と紳太郎さんは、学校からの帰り道、木の影で、人に見つからないようにして、抱き合っていました。

「じゃあ、また明日。」

「ええ、また明日。」

約束を交わすと、私は名残り惜しくて、数歩歩いては後ろを振り向く。

その度に、紳太郎さんは、小さく手を振ってくれるのだった。


「ねえ、若葉。」

「はい?」

和葉姉さんは、キョロキョロと周りを見ると、私に耳打ちをした。

「あなた、今、好きな人がいるでしょう。」

途端にボッと、私の頬が赤くなった。

「…分かるの?」

「分かるわよ。若葉、最近きれいになったもの。」

き、きれい?

「今度連れて来なさいよ。」

「う、うん……」


紅葉姉さんや和葉姉さんが、相手を家に連れてきた時、

「若葉もこうやって、相手を連れてくる日が来るのね。」

そう言って家族は、微笑んでいた。


正直他人事だと思っていたけれど、私もそんな時が来たのだと、思っていました。

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