百花繚乱
「まあ、まあ……さあ、どうぞ上がって下さいな。」

「はい。失礼します。」

私と紳太郎さんが一緒に家の中に入ると、どこから聞きつけたのか、和葉姉さんがかけつけていました。


「こんにちは。若葉の姉の、和葉です。」

和葉姉さんは、余所行きの笑顔を見せる。

「こんにちは。真木紳太郎と申します。」

紳太郎さんの礼儀正しさを、和葉姉さんは、すっかり気に入っていました。

「ちょっと、いい人捕まえたじゃない!」

「もう!姉さん、声が大きい。」

私は紳太郎さんに聞こえるのではないかと、冷や冷やしていました。

客間に座ってからも、姉さんは紳太郎さんに質問しっぱなし。

反って紳太郎さんの方が、嫌にならないかしらと、心配していました。


「騒々しいな、客か?」

突然、父親が茶の間の入ってきました。

「お邪魔しています。」

「いや、構いませんよ。ようこそ、いらっしゃいました。」

父は珍しく、上機嫌でした。
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