百花繚乱
「私が、大きな病院の息子を連れて来たから、びっくりしたのよ。」

「ははははっ……」

今の私には、そんなことしか言えませんでした。


「そんな、暗い顔しないで。大丈夫ですよ、若葉さん。」

「はい…」

「もし、お父さんに反対されても、僕は何度でも若葉さんのお宅に足を運びますよ。」

「紳太郎さん…」

この方に、大切にされている。

そう思うと、とても心が温かくなりました。


「それよりも、あと一年で卒業ですね。」

紳太郎さんは、青い空を見上げて言いました。

「紳太郎さんは、卒業したらどうなさるの?」

私は何の気なしに聞いてみました。

「さて…考えもしませんでした……」

意外な言葉でした。

誰よりもいい医者になると、先生達もおっしゃってましたから。

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