百花繚乱
「これで二人共、医者になれたな。」

いつの間にか紳太郎さんが、横に立っていました。

「ええ…」

私は紳太郎さんを見ながら言いました。

「紳太郎さん、約束忘れていないわよね。」

「ああ、若葉。それなんだけど……」

その時、父と母の声がしました。

「父さん、母さん。」

どうして、父と母がこんなところまで。

私は一瞬、恐ろしささえ感じました。


「行ってやれよ。」

紳太郎さんは、私の背中を押してくれました。

「あの……」

「若葉、またあとで。」


― また あとで ―

私はうなずくと、父と母の元へと走って行きました。

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