百花繚乱
その日の夜も更けてきた頃、私は最低限の荷物を持つと、部屋を出ました。

誰にも見つかりませんように。

そう願いながら。


ですが、家の裏口に繋がる廊下を歩いていると、和葉姉さんの声がしました。

「姉さん…」

「こんな時間にお風呂?」

「う、うん……」

「あまり遅くならないようにね。」

「は~い。」

なんとか誤魔化して歩き出した時、まさかまた姉さんに、呼び止められました。


「ちょっと、若葉。お風呂に行くのに、どうしてそんなに荷物が多いの?」

「えっ…」

私は、一歩後ろに下がりました。

「その荷物…もしかして……」

こうなったら、少しずつ後ずさりをして、逃げてしまおうと、私は思っていました。


「…駆け落ちでも……する気なの?」

「和葉姉さん……」

「ごめんなさい!!」

しばらく見つめ合った後、私は謝って、そのまま走りだしました。

「若葉!」

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