私の心の支えは渚君

日常

カランカラン

「いらっしゃいませ。陽和さん」
慣れたようにお店に入ると、いつも渚君が笑顔で迎えてくれる
「いつもの席でいいですか?」
左から2番目のカウンターの席がいつもの私の特等席だ
渚君はいつも私を極上スマイルで出迎えてくれる
渚君の極上スマイルが私の元気の源だ
「うん。いつものでお願いします」

雑貨屋喫茶『Encounter』は、私がいつも通っている雑貨屋さんと喫茶店が一体化した渚君こだわりのお店だ
そこのマスターの渚君はまだ28で、女性客に人気のイケメンさんだ
年上なのに君呼びなのは、君呼びがいいなという渚君たっての希望からだ
桜田渚さん28歳
何時も私の心を慰めてくれる癒しの存在だ

私の名前は日比野陽和(ひより)
年齢は25で、まだ社会人3年目だ
不動産会社の営業をしていて、日々忙しい毎日を送っている
仕事はうまくいかないことも多く、ストレスだらけの毎日だ
私の唯一の癒しはいつも行く雑貨屋喫茶のマスターの渚君のお店に通う事
いつも私が行くと、渚君は話を聞いて慰めてくれる
「陽和さんはいつも頑張ってて偉いね」
「陽和さんは肩の力入りすぎ。肩の力抜きなよ」
渚君の言葉は私を癒してくれる天然セラピーのようだ
渚君はきっと誰にでも優しい
私への慰めの言葉も、何の気ないセールストークのようなもので、私に気持ちがある訳じゃない
それは分かっているけど、私は渚君のお店に通う事を止められない
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