あの日に置いてきた恋をもう一度あなたと
疼きだす心
「それではこれより、新規事業開発室とシステム部の合同懇親会を開催いたしまーす!」
笠井の明るい声が、居酒屋の一室に響き渡る。
「カンパーイ!」
皆の声が響き渡り、菜月もビールの注がれたグラスを高く掲げた。
菜月が出向して二ヶ月程たったある日、急に二部署合同の懇親会を開催するから参加して欲しいと誘われた。
今までの出向先でも、歓送迎会などの飲み会に誘われることはあったが、どこか遠慮してほとんど参加したことはなかった。
(でも、今回は……)
菜月はビールのグラスに軽く口をつけると、そっと上目づかいで奥のテーブルに目をやる。
そこでは凌平がビールジョッキを片手に、他の社員と談笑する姿が見えた。
凌平がジョッキを傾けゴクリと喉元が動く度、あの頃よりも色気を増した胸元がチラッと覗いて、心臓がドキリとする。
(ダメダメ。この前から私ったら、どうしちゃったんだろう……)
菜月は慌てて目線を逸らすと、ピンクに染まった頬を隠すように、自分もゴクリとビールを喉に流し込んだ。
笠井の明るい声が、居酒屋の一室に響き渡る。
「カンパーイ!」
皆の声が響き渡り、菜月もビールの注がれたグラスを高く掲げた。
菜月が出向して二ヶ月程たったある日、急に二部署合同の懇親会を開催するから参加して欲しいと誘われた。
今までの出向先でも、歓送迎会などの飲み会に誘われることはあったが、どこか遠慮してほとんど参加したことはなかった。
(でも、今回は……)
菜月はビールのグラスに軽く口をつけると、そっと上目づかいで奥のテーブルに目をやる。
そこでは凌平がビールジョッキを片手に、他の社員と談笑する姿が見えた。
凌平がジョッキを傾けゴクリと喉元が動く度、あの頃よりも色気を増した胸元がチラッと覗いて、心臓がドキリとする。
(ダメダメ。この前から私ったら、どうしちゃったんだろう……)
菜月は慌てて目線を逸らすと、ピンクに染まった頬を隠すように、自分もゴクリとビールを喉に流し込んだ。