憧れだった貴方と恋をする〜左小指のピンキーリングは素敵な恋を引き寄せる〜
それから水曜日の同じ講義の日、遥海くんと話しながら、何も考えず一緒に教室に入ってしまった。
いつもギリギリに教室に入ってくる遥海くんの友達はまだ来てなくてさくらはいつもの前の席に行くと遥海くんと隣に座った。
「いいの?友達」
「うん、なんかさくらがいたらあいつらに合わせなくていいかなって(笑)」
「合わせてたんだ」
「まあ、時間ギリギリっていうのはスポーツやってる俺にしたら考えられないというか」
「じゃあ何で一緒にいたの?」
「ん〜なんとなくついてくるから?」
「ふーん、遥海くんはモテるもんね」
「やきもちですか?(笑)」
「ち、違うもん……」
「顔……赤っ(笑)」
さくらは顔を両手で隠した。
「へぇ、佐野くんて笑うんだー」
横から声がした。
「あ、舞子、おはよう」
「おはよう、さくらの奥に誰かいるからびっくりしたよ」
「どーも」と遥海くんは舞子に挨拶していた。
講義開始まで遥海くんはスマホを見ていて、さくらは舞子と話していた。
講義が終わると遥海くんの友達が前の席にやってきた。
「休みかと思ってLINEしたら前の席にいるって返ってきたからさ」
「悪い、俺、やっぱり怪我してるとさ、階段で後ろ行くの嫌だったから」
「そっか」
「それは理解したけど何で黒河さんが遥海の隣に座ってるの?」
女子に尋ねられた。
「駄目なの?」とさくらは返した。
「駄目っていうか〜、遥海が先に座って黒河さんだよね、並び的に?遥海が1番奥だし」
さくらはどうする?と遥海くんに目で訴えた。
「まあ一緒に入って来たからな」
うんと頷いた。
「いつの間に仲良くなったんだ?」
「バスケの話で盛り上がって仲良くなった」
遥海くんは無難な答え方をした。