はじめまして、好きです。

ほんとに、バカなんだから

 ー第3話ー
 
「澪待って〜!!」
 「はぁ、はぁ、澪歩くの早いー!」

 「そっちが遅いの〜ひより早くー!学食奢ってくれるんでしょー!」

 「待ってよーもう!」

 ひよりは走る。

 「ひよりっ!これメロンパン奢って!」

 「はいはい、奢りますよー」

 ひよりはメロンパンを奢る。

 「教室戻ろ?澪」

 「戻ろ戻ろー!」
 「ひよりなんも買ってないけど、お弁当?」

 「今日はお弁当!」

 教室に着いて、席に座る。

 隣には、九条颯真。
 とても気まずい。

 「なぁ澪〜、俺にもメロンパンちょーだい?」

 颯真が澪にメロンパンをねだる。

 「ダメに決まってんでしょー?私がひよりに奢ってもらったんだから、男子の友達いないの?」

 「いるし...友達できたしー、なぁ、朝比奈、橘、篠原?」

 「そうだねー俺たち友達になったもんなー」

 朝比奈 怜 (あさひな れい)が颯真に言う。

 「まぁ僕たちが仕方なく、友達になってあげたけどね?笑笑」

 橘 陽翔(たちばな はると)がからかいながら言う。

 「まぁ俺はサッカーできる友達が欲しかったし、颯真がちょうど良かった。」

 篠原 蒼汰(しのはら そうた)が言う。

 「なんか、あんた可哀想だね.....」

 澪は少し同情気味に颯真を見て言う。

 「可哀想って言わないでくれよ、もっと惨めになるから…」

 颯真は泣きそうな声で返す。

 「意外と仲良いじゃん。ほんとに付き合えばいいのに?」

 ひよりがまたからかうように言う。

 「だからっ、付き合わないってば!!なんでこんなバカと付き合わなきゃいけないの!転校初日に告白してくる馬鹿は無理!」

 澪は思い切り冷たく言い放つ。

 「澪ちゃん酷いよ〜?俺の初恋、奪ったくせにーまぁ安心して、絶対惚れさせてみせるから」

 颯真は最初は冗談っぽく言っていたけど、その告白の言葉はどこか真剣で熱を帯びていた。

 「バカっ…」

 澪は思わず照れてしまう。

 (なんでこんなに胸がザワザワするんだろう…私も、なんだかバカになっちゃったみたい……)

 ーー続く
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