御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
「律さんがストーカーになってる。」

私が呆れ気味に言うと、彼は肩をすくめて苦笑した。

「おいおい、旦那っていうのは、奥さんの隠れストーカーなんだぞ。」

「聞いたことないよ、そんなの……」

思わず笑ってしまった。

すると律さんは、さっと自分のスマホを取り出し、ロックを外して私に画面を見せてきた。

そこには――

「えっ……なにこれ……!」

隠し撮りされた私の写真が、ずらりと並んでいた。

仕事帰りに歩く姿、ランチに向かう横顔、ふとした笑顔。どれも日常の一瞬で、まさかこんなに撮られていたなんて。

「ちょ、ちょっと待って。これいつの……!?」

「最近だよ。俺、千尋のこと可愛すぎて、つい撮っちゃうんだよな。」

律さんは照れくさそうに頭をかいた。

「……やっぱり変態だ。」

でもその顔が、どうしようもなく愛しくて。

私の胸の奥が、じんわりと熱くなる。

「……嬉しいけどね。」
< 170 / 252 >

この作品をシェア

pagetop