御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
「合格?」

「……うん。」

私はゆっくりと布団を抜け出すと、昨夜の机の上に置いてあった一枚の紙に手を伸ばした。

婚姻届。

その「氏名」の欄に、丁寧に――

朝倉千尋と書き込んだ。

ペン先が震えた。

でも、その震えは不安ではない。覚悟と、希望の入り混じったもの。

「今日、私は――律さんと、夫婦になる。」

振り返ると、律さんが穏やかな目で私を見ていた。

まるでその姿が、これからの人生の“朝”を照らしてくれているようだった。

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