御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
翌朝、目を覚ますと、隣にいる律さんが静かに私を見つめていた。

「おはよう、千尋。」

低くて優しい声に、心がふわりと揺れる。

「……おはよう。」

恋人と朝を迎えるのは、初めてじゃない。

けれど、こんなにも特別に思えたのは、きっと初めてだった。

「どうだった? 俺……千尋の夫になれそう?」

そう言って律さんが、私の髪を優しく撫でてくれる。

「うん……」

言葉に詰まりながら、私は彼の胸に顔をうずめた。

「……あんなに、求められての初めて、だったから……」

その言葉に、律さんがふっと笑って、そっとキスを落とす。

「その上……中に貰ったのも、初めてで……」

「それは……俺だけの特権にさせてくれる?」

また一つ、熱いキス。

唇だけじゃない。心まで重なる。
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