御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
「いいっすねえ〜。」

滝くんはあははと笑っている。

「ふーん、なるほど。そっちの夫婦生活ですか。」

「……え?」

私が目をぱちくりさせると、滝くんはちょっと困ったような顔で言った。

「俺、夜のことじゃなくて、新生活について聞いたんですけど。」

「きゃあああああああ!」

もう恥ずかしすぎて、椅子の下に潜り込みたかった。

「いやぁ、仲がいいのはいいことですよ。ええ、ほんと。」

滝くんの顔が、絶妙ににやけているのがまた腹立たしい。

すると突然、背後から肩を叩かれた。

「どうした?悲鳴なんて上げて。仕事が上手くいってないのか?」

「ぶ、部長……!」

私はくるりと振り向き、胸を張って堂々と言い切った。

「任せてください。今なら、どんな仕事もこなせる自信があります!」

すると部長はジト目でひと言。

「夫婦生活、上手く行ってないんだな。」

「えぇぇっ⁉」

思わず、デスクにガクッと突っ伏した。
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