御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました
「いえ、生活は上手く行ってます!むしろ、完璧です!」

「……あっ、そう。」

何気ない顔でうんうんと頷く部長。だが、次の瞬間――。

「いやな、朝倉って“疑似結婚”なんじゃないかって噂があってな。」

「ぎ、疑似結婚!?」

顔を上げた私は、目をまんまるにして部長を見つめた。

「今って、契約結婚って言うの?恋愛感情なくて、お互いの利害一致で結婚するやつ。」

「え、えええええっ!? 誰ですか、そんなこと言い出したの!? 律さんとは、ちゃんと愛し合ってますっ!」

否定したはずなのに、滝君はそっと立ち上がって、部長の耳元に何かを囁いた。

「部長、その件はあまり……」

「ん? ああ、内緒だったのか?」

「な、なになに⁉」私は慌てて椅子から立ち上がる。「ど、どうしてそんなことになってるの?」

すると二人は、なんとも言えない苦笑いを浮かべた。
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