あの夏の夜の続きは今夜
浮島から連絡が来たのは木曜日だった。20時に家に着いてシャワーを浴びようとした時にスマホに届いた。

「今週末花火大会らしいけど一緒に行かない?」

その一文に思いの外喜んでる自分がいた。脱衣所で、洗面台に手をついて返す文章を考える。

鏡に映るのは化粧を落とす前の自分。
可愛くないってことはないと思うんだけど、とびっきりの美人かと聞かれるともちろんそんな自信はない。

スタイルだってすごくいいわけではない。

でも浮島は花火大会に私を誘った。

「いいよ」

3文字だけ打って、送った。
すぐに既読になって、向こうで文字を打ってるのが分かる。

「17時に家の近くに迎えに行くよ」
「分かった」

誘いのメールが終わる。
胸の上の方で何かギュッと苦しくなるのは、これは何なんだろう。

私はクレンジングクリームの入ったチューブのキャップを開け、手のひらに取った。
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