悲劇のセイレーンにささやかな愛を
隣町に着くと、俺たちはまず有名なショッピングセンターへと向かった。
最上階には飲食店がたくさん入っている。
その中から相談し、イタリア料理店に入ることにした。
俺の隣には澪がいて、向かいには彩芽、凰牙、秋斗の順に座っている。
「スパゲッティかピザか悩む〜!どっちも食べたいー」
「じゃ、俺がスパゲッティ頼むから彩芽はピザ頼みな。半分こずつすればいい」
「わ、凰牙優しい!ありがと!」
気持ち悪いくらい微笑んでいる優しさオーラ全開の凰牙に満面の笑みではしゃぐ彩芽。
なんだここは。
俺ら三人は何を見させられてんだ。
「澪は何頼みたい?」
「……」
「? 迷ってんの?」
彼女の視線を追うと、どうやらエビグラタンを見つめている様子だった。