悲劇のセイレーンにささやかな愛を
『これ食べたい!けどフライドポテトも食べたいの。太っちゃうかな』
「……」
そんなことを気にしていたのか。
迷っていた理由が可愛すぎて思わず顔を背ける。
「澪は太っても可愛いからいいよ」
『何その理由!ばか!』
「ごめんってば。フライドポテトはみんなでシェアしようか」
そう言いながら、俺はテーブル横のタブレット端末に注文内容を打ち込んだ。
「ね、澪ちゃん」
「?」
「俺のドリア好きな分だけあげるから、エビグラタン少し欲しいな」
秋斗がそう言うのが聞こえ、横を見ると澪が満面の笑みでノートを差し出していた。
「まじ?よっしゃ。ありがとな!」
「……秋斗、なんか変わった?」
「どこが〜?あー腹減った!」