悲劇のセイレーンにささやかな愛を
『本当だもの!秋斗くんもかっこいいよ』
「……あ、え?ま、まじで?」
なぜかぼーっとしていた秋斗に澪がノートを見せると、分かりやすいほど動揺している。
『ね、しすい!』
「……ああ、そうだな」
「紫水……」
笑顔が下手くそになっているかもしれない。
それを汲み取ったのかなんなのか、薄く笑いを浮かべた秋斗。
薄茶の髪は先の方がクルクルと巻かれていて、両耳のピアス輪っかだったのがダイヤや丸いピアスへと変わっていた。
数分後、何事もなかったかのような顔をした二人が戻ってきたので俺らは花火大会の会場へと向かい始めた。