本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 リティスに褒められ、イレクスはにこにこ顔になった。子供の笑顔はいい。心が癒やされる。

「あたくちは? あたくちのマナーはどうかしら?」

「大変お上手です。さすが、王女殿下」

「やーん」

 褒められてくねくねしているところはマナー違反だが、今はそこまで口うるさく言うこともないだろう。なにより、くねくねしているセリカはとても可愛らしい。

「リティス嬢」

「なんでしょう?」

 どうしよう。こちらを見ているアザレウスの笑顔にドキッとしてしまった。胸の鼓動を押さえつけるようにして、リティスは彼に微笑みかける。

「また、お茶会をお願いしてもいいかな」

「もちろんですとも。お任せくださいませ」

 子供達は、パパベルと何か話をしながら、焼き菓子に手を伸ばしている。

 その様子を見ながら思ってしまった。

 ずっと、このままでいられたらいいのに、と。
< 119 / 288 >

この作品をシェア

pagetop