本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 幸いなことに、襲いかかってきた魔物の殲滅には成功した。それでも、油断はできない。

 いざという時のため、魔力を温存し、安全圏に出るまで治癒魔術は使わなかった。安全なところに出たと確認したところで、改めて治療を開始。

 そこで声をかけてきたのがリティスである。
『自己流で学んだので、他の人とは違うかもしれないが』と言いながらも、リティスは休むことなく治療を行ってくれた。

 治癒魔術を使う彼女の手際に、思わず見惚れた。手際がいいだけではなく、今ではほとんど見ることのない魔術陣を使った魔術だ。

 リティスの腕はかなりのもので、あっという間に負傷者達を回復させてくれた。しかも、彼女の保有する魔力はかなりの量だ。百人以上を治療できるという。
 ――そんな彼女に、興味を引かれた。あくまでも魔術師として、ではあるが。

 礼をしようとすれば、そんなものは不要だと言われた。
 せめてもと、ラングレーまで同行することにしたが、そこまでのわずかな道中でも、リティスとの会話には目を見張るものが多かった。

(どこで、そんな知識を身に付けたのだろう……)

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