本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
『任せろ! オレは知識を持つ悪魔だからな! こんなのすぐに解読してやるぜ!』

 アザレウスの頼みに、パパベルは自信満々で胸をそらす。

(……どうしよう)

 アザレウスと目が合い、リティスはそっと視線を落とした。

 あの夜会の夜から、リティス自身の気持ちが変化しているのを感じずにはいられなかった。

 アザレウスを見るとドキドキしてしまう。

 わかっているのに。

 彼の隣に立てる未来なんてないとわかっているのに。

 一度気づいてしまったら、気持ちに蓋をするのは難しい。

 それでも、懸命に溢れそうな気持ちを押さえつけて、彼の方へと向き直った。

「お任せください。私と、パパベルで解読してみせます」

「僕も!」

「あたくちも!」

 子供達も、リティスの手伝いをする気満々のようだ。ふたりとも、こんなに仲良くなれるなんて、出会った日には想像もできなかった。

「パパベル、こちらにいらっしゃい」

 セリカがパパベルを手招きする。パパベルはしかめっ面になった。

 セリカにとってのパパベルは、動く人形とたいして違わないようだ。

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