本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 本当は気が進まなかったが、エデルがそう言うのならリティスとしては反対しない方がよさそうだという判断が働いた。

 こちらを見下しているエデルの目。家族がリティスに向けるものと変わらない。

(……うん、私の未来のことは自分でしっかりと計画を立てておいた方がよさそう)

 婚約すると聞かされた時は、家族のリティスに対する扱いが変わるのではないかと期待していた。だが、エデルの目に映っているのはリティスではなく伯爵位。

 ――それと。

(たぶん、フィノラに興味を持ったわね……)

 リティスの容姿は、伯爵家の人々とは少し違う。それに、曽祖母の色を受け継いだとはいえ、黒髪に紫色の目は、この国ではあまり好まれない組み合わせだ。

 エデルも、伯爵位がついてこなかったら、リティスとの婚約に同意しなかったかもしれない。

「本当にいいの?」

「当然さ。将来は妹になるのだから」

「嬉しいです、エデル様」

 リティスのことなど気にせず、勝手にエデルはフィノラを誘い、フィノラもまたリティスにかまうことなく椅子を運ぶよう侍女に合図している。

 今日は、婚約者との顔合わせではなかったのか。

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