本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
「庭園をお散歩していたらお姉様がいるのが見えたから……あ、ごめんなさいっ」

 と、エデルの方を振り返ったフィノラは、みるみる真っ青になる。

「ご、ごめんなさい、お姉様。わざとじゃないのよ、怒らないで!」

「……え、ええ」

 誰が誰を怒るのだろうと考えていたら、反応が遅れた。「ええ」と返したのだが、フィノラの耳には届いていないようだ。

「嘘じゃないわ、わざとじゃないの。怒らないで……」

「落ち着いて、フィノラ。私が怒る必要はないでしょう?」

「だって……婚約者の方との顔合わせに私、割り込んでしまって……」

 ついには、目をうるうるとさせ始めた。

(……どうしよう)

 フィノラをどうすればいいのだろうか。無作法を咎めれば泣くだろうし、婚約者を放置してフィノラの相手をするわけにもいかないし。

 けれど、答えを出したのは意外な人物だった。この場を支配しようとしたのかもしれない。

「俺ならかまわない。リティス嬢も同じだろう? よかったら、ここに座るか?」

「……ええ」

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