本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 あの時、パパベルは悪魔を召喚する術があるはずだとは言っていたけれど、彼より上位の悪魔とは言っていなかった。パパベル本人が言うには、本来のパパベルもかなり高位の悪魔だそうだ。

「上位の悪魔?」

「ええ。悪魔というのは、どれほど力を持っているかで上下関係が決まるそうなんです」

 今のパパベルは、記憶と能力を失っているため、本来の序列からはかなり下に位置しているらしい。
 本来の能力を持っていたら、リティスとの契約なんてする必要はなかっただろう。
 きょうの彼は珍しく口を開かず、リティスの肩に掴まっているだけ。そして、時々ぶるぶると震えている。

「もちろん、パパベルの知識は素晴らしいですし、魔術の腕もかなりのものです。でも、悪魔全体で見ると……今のパパベルは下位と言った方がいいでしょう」

「なるほど」

「上位の悪魔となると、人間と共存するのは難しいようです。ましてや、使い魔になるなんて」

 古文書を読み解いた時のパパベルは震えていた。

 記憶の大半がなくとも、本来のパパベルより上位の悪魔を呼び出す方法が人間の世界にあると知っただけで、恐ろしかったらしい。

「……そうか」
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