本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~

「はい。しかも、その本は一冊ではないようなんです。ですので、注意した方がいいかもしれません」

「その件についてなんだが、俺からもリティス嬢に話をしておきたいことがある。パパベルも聞いてくれ。このところ、貴重な魔術書が盗まれる事件が続いている」

「……魔術書が、ですか?」

「ああ。もしかしたら、人外の力が関わっているのではないかと推測している」

 リティスの肩に掴まっているパパベルの手に力が入ったのをリティスは感じ取った。

 アザレウスが説明してくれたところによると、魔術を使うことができる者の家には、たいてい魔術書があるそうだ。

 自分がどこまで魔術を使えるのか、勉強したくなるのが魔術師というものらしい。

 だが、そういった魔術書が盗難の被害に遭うという事例が、このところ急激に数を増やしているそうだ。

「だいたい、自分の屋敷から盗まれたということを言い出しにくいらしく、こういった事件が表沙汰になるのは珍しいんだ」

 貴族たるもの、自分の屋敷で盗難が発生したとなると恥だと思うらしい。

(……ひいおばあ様の図書室は大丈夫かしら?)

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