本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 家族で出かける時は、リティスは留守番をさせられることが大半だ。だから、エデルが観劇に連れて行ってくれるのはありがたかったし、入手困難なチケットを手に入れてくれたのも嬉しかった。

 素直にお礼の言葉を述べ、何かお返しの品を考えなければと思っていたのに、当然のようにチケットは三枚。リティスに断ることなく、フィノラの同行が決定していた。

(……面白かったからいいけれど! 面白かったから、まあいいけれども!)

 さすがに大人気の演劇というだけあり、脚本も俳優達の演技も、衣裳も背景も小物も――何もかもが素晴らしかった。音楽も、劇を盛り上げるのに一役買っていた。

 戦場で出会った二人の男女。

 だが、彼らの国は敵対していた。出会った瞬間、別れが決定していたけれど、紆余曲折あり二人は結ばれる。

 壮大なロマンスに、クライマックスでは思わず涙が零れたほどだ。

 正直言えば、もっと前の方で見たかった。

 せっかくボックスを取ってくれたというのに、一番よく見える場所はエデルとフィノラが二人で独占。

< 21 / 288 >

この作品をシェア

pagetop