イケメンから抜け出したい
『顔で落とされるかも』




翠寧の言葉がよぎった。





───そういうこと?




私の顔を見て、そんな顔でも選ばれるんだな的なこと思ったってこと!?





そう思ったら、そうとしか思えなくてイライラしてきた。




なんで初めて会ったこんな人に言われないといけないの。






「あのー、玄関の場所教えてもらってもいいですか?」





勇気を出して言ってみることにした。




説明会は何時からか聞いていなかったから適当な時間に来たけど、早いほうがいいだろう。






「じゃあ来て」




そういって、スタスタと私たちの横を通り過ぎて言った。




意外と優しいのかもしれない、と思った。



絶対零度は撤回してあげる。






まだあのイケメンに虜になっているお母さんを、ずるずる引っ張りながらついていった。





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