FRIEND or LOVER ・・・ ?
「何だよ、それは。」

「だってココ、教室より暖かいんだもん。」

「そりゃあ、誰かさん達が戸を開けっ放しにしたり、ストーブの前塞いだりしてるからだろ?」

「……」

男子3人は何も言い返せない。

『先生の言い通り♪』

「カチャコ、お前もだろ!」

真北が、ニッコリ笑ってノートを見せてくる茶瑚の頭を軽く叩くと、頭を押さえたまま
『たまに、だよ!』
と、口を動かして反論してきた。



「オラ、お前らゴチャゴチャ言っとらんで早く教室に帰ってろ!」

「先生ばっかしズルい。」

「何言ってんだ。俺だって後もう5分もすれば、お前らと同じ教室に行くんじゃし、どっちみち一緒だろう?」

目黒がそう言い聞かせると、3人はまた不服そうな表情を浮かべてお互いに顔を見合わせた。

「もういいから、さっさと行った行った!」

溜め息を吐くと、何となく場の雰囲気を感じとったらしい飯田が男子2人の肩を叩き、そっと促した。

重盛は「あ~ぁ」と不服そうではあるが飯田に従い向きを変えて歩き出す。

真北はというと、名残惜しそうしながらも茶瑚に背を押されて行った。

< 10 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop