孤高の総帥は初めての恋に溺れる

港に着いたら起こされた。

「もしもし、よく眠っていたのにかわいそう
だけど、ここから船に乗り換えですよ」

横を見ると超絶に美形なブラウンのサラ
サラの髪をしたブルーの瞳の男性が穂香
を起こしてくれた。

寝起きでぼーっとしていた穂香は

「うん、夢？なぜ王子様がネクタイを
占めてスーツを着ているのかな？」

と頓珍漢(とんちんかん)な事を言っている。

「ははっ、王子様とは嬉しい事を言って
くれますね。でも船に乗り遅れると次の船
まで1時間待たないといけませんよ」

「ええっ、まあ大変。ご親切にありがとう
ございます」

そういうと穂香は大慌てでバスから降りて
船に乗った。

ラッセルアイランドリゾートは2年程前に
オープンした所で、無人島を買い取って
ラッセル社が開発しリゾートアイランドに
したのだ。

セントーサ島と違って島内には大きな
娯楽施設はないが、アイランドの中で
一日静かでゆったりとした滞在が約束
されたそんな優雅なリゾートアイラン
ドで朝日が昇る夜明けや夕日が沈む夕方
はその景色が天国にいるように思える
美しさだと評判なのだ。

穂香はそんなことも楽しみでこのアイラン
ドリゾートを選んだ。