皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
さすがは皇女、と誰もが思ったことだろう。

私は袖の内側で手を握りしめた。

この後、私がどんな言葉を紡げば、彼女と肩を並べられるのだろう。

私に、殿下の隣に立つ資格はあるのだろうか。

けれど──逃げることはできない。

私自身の想いを、心の底から伝えるしかない。

その一歩が、未来を変えるかもしれないのだから。

そして──マリアンヌ皇女は、確かに雄弁だった。

その言葉には力があり、堂々たる態度には王女としての誇りと覚悟が滲んでいた。

「今、この国は皆が等しく幸福であるとは、私には思えません!」

彼女の第一声が、場の空気を一気に引き締めた。

まっすぐに前を見据え、民衆に語りかける瞳は、強い意志に満ちている。

「だからこそ私は、王妃となったあかつきには、各地の設備を強化し、医療や教育を整え、誰もが安心して暮らせる国を築いていきたいのです!」
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