皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
貴族たちの間に動揺が走る中、マリアンヌ皇女は唇をかみしめながら、じっとアレシオを睨んでいた。

国王は静かに問いかけた。

「そなたは、王位を継ぐ身だ。私心ではなく、大義を見ねばならぬ。……それでも、セラフィーヌを選ぶのか?」

アレシオは、はっきりと答えた。

「はい。私は“心”なくして国を治めることはできないと考えます。」

その声には、凛とした強さがあった。

「そして──私は彼女を愛しています。それだけではありません。彼女こそが、私を補い、支えてくれる存在なのです。」

私は、驚いてその場で立ち尽くしていた。

「だから、父上。どうか、私にこの手で、未来の妃を選ばせてください。」

国王は黙ったまま、息子の姿を見つめていた。

しばらくの沈黙のあと──王妃が静かに立ち上がり、国王に言葉を送った。

「陛下、未来を託すなら、この決断もまた、必要なのではなくて?」
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