皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
アレシオが私の横で体を起こし、優しく私を見下ろした。

「今の君、とても綺麗だ。」

頬にかかる髪を彼の指がすっと払う。

「……からかわないでください。」

そう言ったはずなのに、笑っている自分がいた。

「本気だよ。」

アレシオの声が少し低くなる。

「君が泣いたり、笑ったりするたびに、俺の心も揺れる。君の全部が、俺を動かすんだ。」

その目が真剣で、思わず視線を逸らしたくなる。

でも――逸らさなかった。

私も彼の目を見つめ返す。

アレシオはそっと私の手を取ると、自分の胸にあてた。

「これから先、何があっても、この鼓動は君のためにある。」

私は目を閉じ、彼のぬくもりに頬を寄せた。

「……じゃあ、ずっと聞かせて。あなたの鼓動。」

アレシオは微笑み、もう一度私を腕の中に引き寄せた。

「もちろん。永遠に、君だけの音だよ。」

そして夜まで、私達の時間は終わらなかった。
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