皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
「久しぶりね。本当に……」

言葉を探す間もなく、奥からお父様の朗らかな声が響く。

「おお、これはルカじゃないか!」

父は歩み寄ると、両手でルカの肩を叩いた。

「立派になったな。さあ、中へ入りなさい。ゆっくり話そう。」

玄関ホールに差し込む光の中、ルカは私を見つめ、穏やかに微笑んだ。

「……ああ、変わらないな、君は。」

懐かしさと何かを秘めたその眼差しに、私はふと胸がざわめいた。

ルカは応接室の深い緋色のソファにゆったりと腰掛け、足を組みながらこちらを見た。

「ルカも変わらずに、元気そうだけど。」

その軽やかな口調に、私も自然と微笑みを返す。

「セラフィーヌ、結婚はどうなんだ? 皇太子殿下と婚約したと聞いたけれど。」

突然の問いに、胸の奥がわずかにざわついたが、私はとりあえず柔らかい笑顔を保った。

「まだなの。」
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