皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
私はスプーンを手に取りながら、さっきの試験問題を思い返す。

記憶だけでは答えられない。自分の考えを論じ、正確に言葉にする必要がある。

ただ記憶力があるだけでは、通用しないものだった。

「なかなかスクールのテストのようにはいかないわ。」

「ええ、本当に。」

そう言いつつ、私はスープを口に運んだ。

温かな香草の香りが、こわばっていた神経を少しほぐしてくれる。

リディアはというと、フォークでパイをつつきながら笑っている。

「でも、私はこういうの、嫌いじゃないの。自分がどこまで通用するか、分かる気がして。」

「……あなたって、やっぱり強いわね。」

「そうかしら?緊張で朝からお腹キリキリだったのよ、実は。」

リディアは悪戯っぽくウインクした。

その明るさに、思わず笑ってしまう。

ふと周囲を見ると、他の令嬢の中には、ぐったりと背を丸め、スプーンを置いたまま動かない者もいる。
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