皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
「セレフィーヌ・エストレア公爵令嬢だった。」

どよめきが、大広間を包んだ。

私の心臓は、まるで鐘のように打ち鳴らされていた。

息を吸うことすら忘れていた私は、思わず手を膝の上で強く握った。

「堂々たる筆致。深い理解と洞察。そして何より、国を想う視点を忘れなかったことが、私の胸に強く残った。」

褒め言葉など、今までいくらでも浴びてきた。

けれど、今のその言葉は――何よりも、重くて、温かくて、嬉しかった。

隣のリディアが小さく囁く。

「やっぱりね、セレフィーヌ。」

私は何も言えなかった。ただ、視線を落とし、胸の奥でそっと呟く。

──ありがとう、殿下。

広間に静寂が満ちていた。

誰もが言葉を飲み込み、アレシオ殿下の動きに視線を注いでいる。

殿下は手元の一枚の答案用紙を高く掲げると、再び口を開いた。

「……ただ、それよりも、私の胸を打つ回答が一つだけあった。」

その言葉に、周囲の空気がぴりりと震える。
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