半妖の九尾の狐は神巫女を独占中
体を起こそうとした時、覆い被さるように私の上に乗ってくる1つ目の妖。




「やだっ・・・!!どいてっ・・・!どいてってばっ・・・!!」



両手で妖の胸を押し返し、足をばたつかせて抵抗をする。



だけど、ガタイの良い1つ目の妖はビクともしない。



それどころか、ばたつかせていた足に自分の足を乗せて押さえつけられ、両手首を片手で押さえつけられてしまう。



骨がきしみそうな程の力に、私は痛みで顔をしかめた。



「嫌だっ・・・!!離してっ・・・!!」



「チッ・・・うっとおしいなぁ・・・!!」



ウザそうに顔をしかめて胸ぐらを掴まれる。



そのまま力の限り引っ張られ、ビリッと音を立ててブラウスが破けた。



そんな中、妖はさらけ出された首元に牙を立てる。



ブツっという音と共に首筋に痛みが走り、暖かい液体が首を伝う。



その痛みに、唇を噛み締めて耐えるしかなかった。



「軽く噛んだだけでこれか。人間は脆いな。・・・抵抗すんなよ。そうしたら、貴様の肉を噛みちぎるからな」



「っ・・・!?」



そう言った妖の口は私の血で赤く染まっており、ジクジクと痛む首筋からはかなりの出血があるのだとわかった。



これで軽く噛んだだけと言うんだから、本当に噛みちぎられてしまうかもしれない。



この妖は、殺そうと思えば簡単に私の事を殺せるんだと悟り、恐怖と絶望に包まれる。



拒み続けたら殺されてしまうかもしれないという恐怖から、私は抵抗をする気がなくなってしまう。



あぁ.・・・このまま耐え続けるしかないのかな・・・。



恐怖と絶望の感情が入り交じり、目元に涙が滲んでくる。

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